福祉環境工学科メカトロニクスコースの概要

高齢者や障害者などの社会的弱者はもちろん,すべての人が平等に,より安全で快適な社会生活を送るためにメカトロニクス技術・ロボット工学を応用した技術開発・技術者の育成を行います.

コースの概要

介護ロボットのイメージ図 現在の文明社会で人々は,生活のあらゆる分野において機械類(広い意味での)の助けを借りて生きています.最近の機械類は,金属の固まりでできていた古典的・力学的な機械と異なり,機械部品と電気部品,それにこれらを統合する制御装置を組み込んだ複合機械(メカトロニクス装置,Mechatronics=Mechanics + Electronics)が多くなってきています.
 このようなメカトロニクス装置の代表例はロボットがあげられ,産業用ロボットが多くの工場で稼働し,二足歩行ロボットも実用化の域に達してきています。これらの機械は熟練した使い手でなくても性能を発揮するだけでなく,人間にしかできなかった作業も可能にしつつあります.したがって,身体能力や判断能力の衰えがちな人々の増加と,それを支える働き手の減少が予測されるこの21世紀において,高度福祉社会を実現するためには,これらに関する技術:メカトロニクス・ロボット技術がますます必要とされ,重要な役目を担います.
 本コースは,このメカトロニクス・ロボット技術の研究・開発と人材養成を行うものです.
階段歩行実験とそのアニメーション表示  メカトロニクス・ロボット技術を使いこなすためには,機械部分を扱う機械工学を学び,電気部分を扱う電気工学を学び,その統合技術としての制御工学や情報システム工学も学ぶ必要があります.また,人間と機械類の関係を扱う人間工学の分野も学んでおく必要があります.
 本コースではこれらの多方面の工学分野を発散させることなく,基礎からしっかり学ぶことで,今後さらに需要が増えるメカトロニクス・エンジニアとして巣立ち,機械・電気を中心とした産業界での活躍が期待されます.

求めている学生像

アドミッションポリシーより引用

福祉環境工学科メカトロニクスコース

 本学科はすべての人が幸福を感じられる高度福祉社会を,工学的側面から実現するための研究開発と人材養成を行うことを理念にしています.本学科ではこのような目標に向かって努力できる人を求めています。

<メカトロニクスコース>

 機械部品と電気部品とその制御装置が複合されたメカトロニクス装置(= Mechanics + Electronics,ロボットはその一例)は,多くの人の負担を軽減すると共に,今まで人しかできなかった作業も可能にしつつあります.  本コースは,このメカトロニクス装置に関する技術を通じて社会のニーズに貢献するメカトロニクス技術者・研究者の育成を目標とし,次のような人材を求めています.
  • 自分の力を人々の生活の質の向上に役立てようとする気持ち『福祉マインド』を持ち,これを育もうとする人.
  • 理工学,人文並びに社会科学の分野に関心があり,メカトロニクスに関する幅広い専門知識を身につけ社会に貢献できるエキスパートをめざしている人
  • 国際的なコミュニケーション能力を有する技術者になりたいという強い意志のある人
  • 自ら課題を見つけだし,それを解決できる行動力と柔軟な思考力をもっている人

学生定員と最近の志願状況

学生定員

 福祉環境工学科メカトロニクスコース 30名程度

志願状況

志願者数は第一志望を福祉環境工学科とした受験者の合計です。合格者数は,福祉環境工学科に合格した者の数で,最終的に入学手続きを行わなかった者も含みます。
平成18年度入試より,福祉環境工学科はコースごとに合格判定を行うようになりました。平成18年度よりメカトロニクスコースのみの情報です。
推薦入試はメカトロニクスコース(旧福祉機器コース)のみの情報です。
(注1):2002年度までは旧福祉環境工学科(機器コースおよび建築コースの合算,定員40名)の情報です.
(注2):2003年度は福祉環境工学科が改組され,旧建設工学科と合併しました。入学試験は別学科として実施されたため,入学後に旧建設工学科入学生とあわせて定員80名となりました.旧福祉環境工学科へ入学を希望したもののうち19名がメカトロニクスコースへ配属されました.
(注3):2004年度,2005年度は,メカトロ・建築コース希望に関係なく,福祉環境工学科一括で合格判定を行い,入学後にコース分けをしています。そのため,志願者は建築コース希望者も含みます。(かっこ内はメカトロニクスコース 配属となった合格者数)
前期日程
年度 募集人員 志願者 合格者
2000年度(平成12年度)(注1) 24 102 26
2001年度(平成13年度)(注1) 24 53 34
2002年度(平成14年度)(注1) 24 104 32
2003年度(平成15年度)(注2) 24 59 24
2004年度(平成16年度)(注3) 46 115 56(23)
2005年度(平成17年度)(注3) 46 142 57(17)
2006年度(平成18年度) 16 46 19
2007年度(平成19年度) 16 46 21
2008年度(平成20年度) 16 44 22
2009年度(平成21年度) 16 67 22
2010年度(平成22年度) 16 79 20
2011年度(平成23年度) 16 33 20

後期日程
年度 募集人員 志願者 合格者
2000年度(平成12年度)(注1) 8 72 15
2001年度(平成13年度)(注1) 8 63 11
2002年度(平成14年度)(注1) 8 139 11
2003年度(平成15年度)(注2) 8 46 8
2004年度(平成16年度)(注3) 18 163 27(12)
2005年度(平成17年度)(注3) 18 157 33(15)
2006年度(平成18年度) 6 45 10
2007年度(平成19年度) 6 51 9
2008年度(平成20年度) 6 42 8
2009年度(平成21年度) 6 74 6
2010年度(平成22年度) 6 94 6
2011年度(平成23年度) 6 39 6

推薦入試
年度 募集人員 志願者 合格者
2000年度(平成12年度)(注1) 8 25 8
2001年度(平成13年度)(注1) 8 22 10
2002年度(平成14年度)(注1) 8 27 12
2003年度(平成15年度)(注2) 8 18 10
2004年度(平成16年度) 8 6 4
2005年度(平成17年度) 8 9 6
2006年度(平成18年度) 8 18 9
2007年度(平成19年度) 8 12 8
2008年度(平成20年度) 8 10 8
2009年度(平成21年度) 8 17 8
2010年度(平成22年度) 8 20 9
2011年度(平成23年度) 8 16 8

就職進学状況

学部生(2006年度卒業生までは学生定員は20名程度)
年度 就職 進学(本学) 進学(他大学) その他 合計
2000年度(平成12年度) 1 6 0 0 7
2001年度(平成13年度) 4 13 1 1 19
2002年度(平成14年度) 6 5 0 6 17
2003年度(平成15年度) 8 10 0 2 20
2004年度(平成16年度) 10 11 0 3 24
2005年度(平成17年度) 12 3 1 2 18
2006年度(平成18年度) 10 8 2 0 20
2007年度(平成19年度) 16 7 2 2 28
2008年度(平成20年度) 22 8 2 2 34
2009年度(平成21年度) 14 13 1 1 29
2010年度(平成22年度) 17 13 1 3 34

大学院修士生(メカトロニクス系研究室所属学生)
年度 就職 進学(本学) 進学(他大学) その他 合計
2002年度(平成14年度) 8 2 1 0 11
2003年度(平成15年度) 14 0 1 1 16
2004年度(平成16年度) 5 0 0 0 5
2005年度(平成17年度) 9 0 0 0 9
2006年度(平成18年度) 12 0 0 0 12
2007年度(平成19年度) 5 0 0 0 5
2008年度(平成20年度) 8 1 0 0 9
2009年度(平成21年度) 6 0 0 1 7
2010年度(平成22年度) 9 0 0 0 9
主な就職先
分類 企業名
機械系 三菱重工,日本精工,東芝物流,サン機工,協栄工業,YKK,ナカシマプロペラ,太陽鉄工,不二精機
メカトロ・ロボット系 ダイヘン,ファナック,隆祥産業,京都製作所,三井ハイテック
自動車・自動車部品 ダイハツ,スズキ,ホンダ,トヨタ紡織,トヨタ自動車九州,日産自動車,矢崎総業,青山製作所,井関農機,ユーシン
半導体関連 ソニーセミコンダクタ九州,日本マイクロニクス,STKテクノロジー,タカキ製作所,ミツミ電機,デンケン,京セラ
電気系 三菱電機,上野精機,大分キャノン,キャノンマテリアル,西部電気工業,戸上電機製作所,京製メック,ホックス,竹菱電機,島根三洋電機,日立エンジニアリングアンドサービス,九電工
福祉機器・住宅設備関連 いうら,徳永装器,今仙技術研究所,矢崎化工,パラマウントベッド,TOTO,TOTOプラテック,三和シャッター,柳井電機工業,TOTOウォシュレットテクノ,ムーンスター,朝日ソーラー
医療・健康系 アークレイ,アシックス,川澄化学,ケアコム,再春館製薬,東芝メディカルシステムズ,日立メディコ,大日本住友製薬
情報システム・IT関連 富士通大分ソフトウェアラボラトリ,infotex,NS&Iシステムサービス、ジャパンシステム,OEC,情報技術開発,情報システム監査,IIJテクノロジ,富士ソフト,NECネッツアイサービス,共立コンピュータサービス,ジオ技術研究所,フォーサイトシステム,安川情報システム,九電ビジネスソリューションズ
その他 テクシア,アパユアーズ,アプロ,アルプス技研,VSN,大分銀行,JR西日本,公務員,新聞社,ケーブルテレビ局など

進学先大学院:大分大学大学院工学研究科(前期過程、後期課程),九州工業大学大学院,九州大学大学院,九州産業大学大学院,広島大学大学院,東京電機大学大学院,筑波大学大学院,茨城大学大学院
注:卒業生の正式な所属は改組前の入学生のため福祉環境工学科福祉機器コースです.