専門科目カリキュラム

このページに載せている科目は専門科目です.卒業するためには専門科目以外に一般教養科目より20単位(人文分野4単位以上,社会分野4単位以上を含む),外国語科目より6単位,専門基礎科目より必修12単位およびA選択2単位以上を取得しなければなりません.

専門科目は必修53単位,A選択およびS選択31単位(S選択6単位含む)以上を取得しなければなりません. このページに載せている科目以外に卒業用件単位とならないB選択科目もあります.これらの科目については工学部の履修課程表のページも参考にしてください....工学部の履修課程表のページへはここをクリック

また,上記の単位取得に加えて累積成績指標(全学期を通した1単位あたりの成績の平均値)が2.0以上でないと卒業できません.

※本ページのカリキュラムは2014年度(平成26年度)現在のものです.また,内容の正しさを保証するものではありません.参考までにごらんください。在学生は履修案内等で確認しておいてください.

※科目名の後の数字は,正式にはローマ数字を用いています。機種依存をなくすためにホームページ上では全角数字で表示しています。

カリキュラムの概要

授業科目の構成は,学生が学科理念に示す福祉の心を持った技術者としての知力・学力が育成されるよう計画されています.メカトロニクスコースの学生は,機械・電気と,統合技術としての制御情報システムを学び,メカトロニクス技術者として機械・電気を中心とした産業界で活躍できる人材として巣立ちます.さらに専門性を高めたい学生には大学院進学の道が開かれています.

科目群の説明:メカトロニクスは機械工学や電気工学などの伝統的分野にまたがる複合領域です.また,福祉をサポートする工学技術を考えたとき,さまざまな分野の知識が必要になります.福祉環境工学科メカトロニクスコースで学ぶ科目は大きく以下のように分類できます.

機械工学科目群:機械工学はものづくりとハードウェアの特性を理解するための基礎となる学問分野です.また,人間の日常動作や運動などの物理動作も機械力学の法則に支配されており,バイオメカニクス分野の理解をする上での基礎となる重要な科目群です.本コースでは特に機械工学の基礎と機器の設計・製作を中心とした科目を習得します.

メカトロニクス・制御工学科目群:本コースの根幹であるメカトロニクスに関する科目群です.福祉分野への工学技術の応用では,人間にやさしい知能的な機器を設計・開発する必要があります.設計者の要求どおりに柔軟に適応できる電子機械に関する科目を習得します.

生体情報工学・情報工学科目群:ハイテク機器はコンピュータの役割なしに考えられません.コンピュータリテラシーとしてのプログラミングや脳,感覚機能の神経情報分野の基礎を理解するための科目を習得します.また,人間本位の設計開発のため感性・技術者倫理も学びます.

電気・電子工学科目群:コンピュータ等の情報機器のハードウェア部分は電子回路でできています.また,さまざまな電気機器を開発したり利用するには正確な電気現象に対する理解が必要です.電気工学・電子工学の基礎を学びます.

人間工学・生体運動工学科目群:福祉分野へに工学技術を応用では,人間の特性についての知識も必要です.人間の動作・運動特性や計測手法について学びます.

科目一覧表

ここに示す科目一覧表は平成26年度入学生適用のものです.カリキュラムの見直し等諸事情によって実際の内容とは異なることがあります.

1年次
科目名 必修選択の別 科目群 授業内容
福祉環境工学総論 必修 導入科目 福祉環境工学を学ぶ学生に対する導入教育である.
力学基礎演習1 必修 導入科目 機械力学・材料力学の基礎と演習を通じて、メカトロニクスコースで必要となる力学に関する事項を身につける。
力学基礎演習2 必修 導入科目 機械力学・材料力学の基礎と演習を通じて、メカトロニクスコースで必要となる力学に関する事項を身につける。
機械工学概論1 必修 機械工学科目 機械および機械工学の基礎および一般理論を講義する.
機械工学概論2 A選択 機械工学科目 熱および流れの現象に関する基本的法則を解説する.
電気回路1 必修 電気・電子工学科目 交流理論について解説する.
情報処理概論 必修 生体情報工学・情報工学科目 パーソナルコンピュータの各種ソフトウエア使用方法および情報機器に関する基本的操作方法について解説する.
住居論 A選択 福祉建築 住居の原理・歴史・計画,住宅問題・政策,住宅・住宅地計画等の基礎知識を習得する
2年次
科目名 必修選択の別 科目群 授業内容
材料力学1 必修 機械工学科目 曲げを受ける機械・構造物を設計する際に必要となる基礎理論について解説する.
材料力学2 必修 機械工学科目 静力学の基礎,応力とひずみなどの基本事項,引張・圧縮,ねじり,曲げを受ける機械・構造物を設計するための基本的計算法を学ぶ.
バイオエンジニアリング概論 必修 機械工学科目 生体関連機器を設計,開発するために知っておくべきバイオエンジニアリングに関して概説する.
流体工学 A選択 機械工学科目 流体工学について解説する.
機器設計製図 必修 機械工学科目 線種や寸法記入などの製図の基本的事項ならびに機械設計を機械要素についての解説・演習を行う.
福祉機器実験1 必修 機械工学科目 機械加工や生産技術の実際を,実習工場内の機械を用い実習する.
電磁気学1 必修 電気・電子工学科目 電磁気学の基礎(電荷・正電場・導体・絶縁体)について学ぶ.
電子回路1 必修 電気・電子工学科目 バイポーラ型トランジスタの動作原理およびこれらを用いた基本増幅回路の解析・設計について解説する.
電磁気学2 A選択 電気・電子工学科目 電気工学1に引き続き,電磁気学の基礎(電流・磁場)について学ぶ.
電気回路2 A選択 電気・電子工学科目 複素関数・線形代数・微分方程式による,電気回路の解析について解説する.
人間システム工学実験1 必修 電気・電子工学科目 アナログ電子回路の基礎実験を行う.実験結果を考察しレポートにまとめる.
メカトロニクス

必修

メカトロニクス・制御工学科目 アクチュエータ・センシング・パワーエレクトロニクスの基礎理論について解説する.
制御工学1 必修 メカトロニクス・制御工学科目 生体システムの時間的動特性解析について微分方程式・ラプラス変換を用い解説する.
システム解析 A選択 メカトロニクス・制御工学科目 物理現象・生命現象の理解のために常微分方程式・偏微分方程式の解法を解説する。
計測工学 A選択 メカトロニクス・制御工学科目 電気電子計測の基礎および測定値の記録や伝送のしかたについて解説する.
応用解析1 S選択 数学科目 微分方程式について講義する
応用解析2 S選択 数学科目 複素数・複素平面について講義する。
応用解析3 S選択 数学科目 3次元空間を中心にして,ベクトル解析の立場から,ベクトルの微分・積分について講義する.
応用解析4 S選択 数学科目 ラプラス変換・フーリエ変換の基礎について解説する.
確率統計 S選択 数学科目 確率論や数理統計の基礎理論について解説する.
現代社会と福祉 A選択 社会福祉 福祉政策においてどのような課題があり政策の実施体制はどのようになっているか,現状と取組状況などについて講義する.
3年次
科目名 必修選択の別 科目群 授業内容
福祉機器工学1 必修 機械工学科目 福祉機器設計のための機械設計に関する基本通則と機械要素部品について解説する.
機構力学 必修 機械工学科目 機器設計の基礎となる,機械・構造物などの運動と力の関係について解説する.
福祉機器工学2 A選択 機械工学科目 機器設計における手法について,例題を用いた設計計算および規格品からの選択法等について解説する.
福祉機器設計工学演習 A選択 機械工学科目 福祉機器やリハビリテーション機器に関連する実習や演習を行う.
CAD演習 A選択 機械工学科目 3D-CADの実習を通して、コンピュータ支援の機器設計および生産に関する要素技術を学ぶ.
福祉機器実験2 必修 機械工学科目 機械工学分野に関係する基本的現象や理論を実験をとおし体験する.
基礎電気工学演習 必修 電気・電子工学科目 電磁気学1・2で解説した電気磁気学の演習をおこなう.
電子回路2 A選択 電気・電子工学科目 電子回路1に引き続きトランジスタ以外の素子を利用したアナログ回路の動作について解説する.
電磁アクチュエータ 必修 メカトロニクス・制御工学科目 メカトロニクス機器の可動部分の基本構成要素をなす各種アクチュエータの駆動原理と制御について解説する.
制御工学2 必修 メカトロニクス・制御工学科目 メカトロニクス系の基本解析法を代表的なサーボ機構の制御方法について解説する.
ロボット工学 必修 メカトロニクス・制御工学科目 ロボットの運動学的理論についてベクトル解析をもちい解説する.
人間システム信号処理 A選択 メカトロニクス・制御工学科目 生体信号の測定と解析に必要な信号処理について解説する.
現代制御工学 A選択 メカトロニクス・制御工学科目 状態方程式表現をベースにした現代制御工学の基礎を学ぶ。
人間システム工学実験2 必修 メカトロニクス・制御工学科目 デジタル回路およびコンピュータによる計測と制御について実験をおこなう.
Cプログラミング 必修 生体情報工学・情報工学科目 計算機システム・処理アルゴリズおよびC言語の文法の基礎について解説する.
人間システム工学 A選択 生体情報工学・情報工学科目 人間の感覚・記憶・知覚・運動システムについて神経中枢との対応により解説する.
言語意思表現 A選択 生体情報工学・情報工学科目 失語症・失読症を題材とし,福祉マインドについて講義する.
倫理感性工学 必修 人間工学・生体運動工学科目 人類の福祉,公衆の安全,健康について解説する.
人間工学 A選択 人間工学・生体運動工学科目 身体を質点あるいは剛体をとらえ,粘弾性やリンク機構体ととらえ,体の動きを工学的に分析することにより,身体運動の原理を解説する.
身体運動機能学 A選択 人間工学・生体運動工学科目 人間が運動を起こし運動を継続させるメカニズムを運動生理学的側面からとらえてその基礎を解説する.
リハビリテーション工学 A選択 人間工学・生体運動工学科目 リハビリテーション機器,福祉工学,リハビリテーションにおける工学応用などについて解説を行う.
生体運動制御論 A選択 人間工学・生体運動工学科目 身体各部の速度・加速度といった力学量など様々な情報から,人間がどのように運動を制御しているかを解説する.
福祉環境計画 A選択 福祉建築  
地域福祉論1 A選択 社会福祉 地域の住民生活の変化と,そこから生ずる新しい生活問題の発生メカニズムやその特質について解説する.
地域福祉論2 A選択 社会福祉 地域福祉論2に引き続き今日の地域福祉における諸問題について解説する.
品質管理 A選択 その他 統計的品質管理の基礎理論ならびに統計的基礎理論について解説する.
インターンシップA A選択 その他 実際の業務を体験し(2週間),大学で学習していることへの社会的意義について理を深める.
インターンシップB A選択 その他 実際の業務を体験し(4週間),大学で学習していることへの社会的意義について理を深める.
職業指導 B選択 その他  
4年次
科目名 必修選択の別 科目群 授業内容
視覚画像工学 A選択 生体情報工学・情報工学科目 コンピュータ上における画像の表現およびその処理手法について解説する.
ヒューマンインターフェース A選択 生体情報工学・情報工学科目 人とコンピュータのインターフェースのありかたやインターフェースシステムの設計について解説する.
卒業研究 必修 卒業研究 学部教育のまとめとして,各自か担当教官のもとで,卒業研究を行い卒業論文を作成する.
1年次(前学期)※()内は単位数
授業科目 必修選択の別
人間工学特論 選択(2)
運動機能工学特論 選択(2)
生体情報システム工学特論 選択(2)
環境情報学特論 選択(2)
人間基礎工学特別講義 選択(2)
電磁アクチュエータ特論 選択(2)
機器回路設計特論 選択(2)
機器ダイナミクス特論 選択(2)
電子制御機器特論 選択(2)
人間システム工学特別講義 選択(2)
1年次(後学期)※()内は単位数
授業科目 必修選択の別
身体運動工学特論 選択(2)
生体運動解析法特論 選択(2)
認知人間工学特論 選択(2)
機能材料特論第一 選択(2)
福祉音響機器特論 選択(2)
福祉建築構造工学特論 選択(2)
福祉ロボット工学特論 選択(2)
福祉メカトロニクス特論 選択(2)
人間情報工学特論 選択(2)
機器制御特論 選択(2)
福祉環境工学ゼミナール第一 必修(2)
2年次(前学期)※()内は単位数
授業科目 必修選択の別
福祉ロボット工学演習 選択(2)
機能材料特論第二 選択(2)
福祉環境工学ゼミナール第二 必修(2)
2年次(通年)※()内は単位数
授業科目 必修選択の別
人間基礎工学特別研究 選択必修(※4)
人間環境工学特別研究 選択必修(※4)
人間システム工学特別研究 選択必修(※4)

修了要件

(1)必修科目として,福祉環境工学ゼミナール第一,福祉環境工学ゼミナール第二の2科目4単位を修得する.
(2)選択必修科目(※印)として,人間基礎工学特別研究,人間環境工学特別研究又は人間システム工学特別研究の内から1科目4単位を修得する.
(3)上記以外の選択科目の中から16単位を修得する.
以上の区分により30単位以上を修得し,かつ,2年以上在学して必要な研究指導を受けた上で修士論文の審査及び最終試験に合格することを修了要件とする.
※上記リストのうち選択科目はメカトロニクス分野に関連ある科目を抜粋しており、これ以外にの共通科目、福祉環境工学専攻専門科目も履修することができます。